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変化する福祉タクシー バリアフリーの最先端

2020/02/28

皆さんは「福祉タクシー」「介護タクシー」「ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)」などといった言葉を聞いたことはありますか?今回はこれらの車両がどのようなものなのか、問題となっている点についてなど解説をしていきます。
 

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福祉輸送事業限定タクシー

介護が必要な方や身体が不自由な方が、車いすやストレッチャーのまま一般のタクシーに乗車することは車両の設備や仕様上難しいのが現状です。このように、一般のタクシーの利用が困難な方の輸送を対象とするタクシーのことを福祉輸送事業限定のタクシーと呼びます。

実は、「福祉タクシー」「介護タクシー」「ケアタクシー」などは、各事業者がそれぞれ名付けたものとなっており、実際は全て福祉輸送事業限定のタクシーとしてあてはまります。

ただし、「ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)」については、ユニバーサルドライバー研修を修了した運転手であれば運転ができる車両となります。そのため、車両から離れた部分の介助には対応していません。

UDタクシーは、車いすのままでも利用できる一般のタクシーという扱いなので、厳密に言えば福祉輸送事業限定のタクシーにはあてはまらないため注意が必要です。

 

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どんな人が利用できるの?

福祉輸送事業限定のタクシーを利用する際の大きな特徴として、介護保険利用の有無があげられます。

[介護保険を利用する場合]

介護保険の利用にはいくつかの条件を満たさなければなりません。自宅や有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などで生活しており、電車やバスなどの公共交通機関に1人では乗ることができない要介護状態の人であれば介護保険を利用することができます。

ただし、介護保険の利用には通院や預金の引き出し、選挙投票や日常生活のために必要な届け出のための外出などに限り、趣味や仕事などを目的とした外出では、適用がされません。

また、運転手の介助を必要としない状態の方や家族が同乗し、家族の介助を受けることができる場合には、適用がされないなど、様々な条件が存在します。そのため、介護保険が利用できるかは、担当のケアマネージャーに良く相談をすることが必要です。

[介護保険を利用しない場合]

介護保険を利用する場合には様々な条件や制約があり、状況によっては使いづらい場面もあります。そのような時は、介護保険を利用せずに全額自己負担とすれば福祉輸送事業限定のタクシーを利用することが可能となります。

介護保険を利用しない場合の対象者は要支援、介護状態の高齢者も対象となります。この場合は、ケアプランを作成する必要もなく、家族が同乗したり病院内での介助も可能となります。

また、仕事や趣味、習い事、買い物などでも幅広く利用することが可能となります。状況によって介護保険を利用するかどうかを判断し、賢く福祉輸送事業限定のタクシーを利用しましょう。

 

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福祉輸送事業限定のタクシーの利用料金

福祉輸送事業限定のタクシーの利用料金ですが、通常は一般タクシーと同程度のメーター料金で徴収するケースが多いようです。ただし、事業者独自の「距離制運賃」や「時間制運賃」を採用している事業者も多くみられるので注意しましょう。

また、メータ料金以外にも、介助にかかる費用が発生します。介護保険が適用される「通院等乗降介助」等では自己負担額1割となり、1回約100円になります。こちらは、介護保険が適用されない場合には、全額自己負担となります。

 

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問題点と今後について

国土交通省は2018年制定のバリアフリー法などを皮切りに、福祉タクシーの普及を進めています。しかし、ここでいう福祉タクシーとは、乗務員の介護資格の有無を問わずに、車いすの方を乗車させることができるUDタクシーが中心となっています。

UDタクシーは介助が必要な方だけではなく、一般の方も乗車ができるというメリットもあるため、今後も更に増加していくでしょう。

従来の福祉輸送事業限定のタクシーは、介護事業の認可を受けた事業所等が運営をしていたため、介助経験が豊富な乗務員も多く、利用者からの満足度も高いものとなっておりました。

しかし、前述の通りUDタクシーは、資格を持たない乗務員も担当できてしまうため、対応の難しさからか、車いすの方を乗車拒否するなど新たな問題が発生してきています。そこで、国土交通省は2月、高齢者障害者などの移動の円滑化に関する法律の一部を改正する法律案を閣議決定しました。

今後は、タクシーなどハード面のバリアフリー化を進める一方で、乗務員に対し、身体が不自由な方への対応方法等の浸透を進めホスピタリティの向上を目指す必要があります。これらの両立はバリアフリー施策の重要なポイントとなるため、今後も注目していきましょう。

 

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