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最終更新日:2020/1/31

介護離職の現実

福祉業界で働く私たちにとっても他人事ではない、それが「介護離職」です。介護離職を防ぐための様々な制度を知り、利用することで福祉業界で長く働き続ける工夫を知ってみましょう!
 

介護離職の現状は?


介護離職とは、突然の病気や大きな怪我などで介護が必要となった家族のために、仕事を辞めて介護をしなければならない状況のことを言います。現代社会では、そんな「介護離職」が増えています。余儀なく介護離職をする人数はなんと、毎年約10万人にも上っています。

家族のためとはいえ、収入源がなくってしまうことや、これまで積み上げてきたキャリアを失ってしまうことなど、その後の生活にも大きな不安を抱くこととなるでしょう。そんな介護離職を防ぎ、介護離職者を救うための制度が介護休業や介護休暇です。これらの制度を実際に利用した人はどのくらいいるのでしょうか?なんと、2012年の統計では全体のわずか3.2%の方の利用に留まってしまっています。

これら制度を利用しない理由として主に挙げられたのが、
・会社に迷惑をかけられない
・休暇を取れる雰囲気ではない
といったものが多いようです。介護離職をせず長く働き続けるには、どうすればよいのでしょうか。

 

家族の介護のために、私たちが使える制度とは?

前項では、介護離職を防ぐための制度をお伝えしていきました。さて、本項では、家族の介護が必要となったとき、使える制度にどんなものがあるか見ていきましょう。

介護休業
労働者の家族が「常に介護を必要とする状態が2週間以上にわたる状態(要介護状態)」となってしまった場合に、介護や身の回りのお世話をするための休業。休暇は、対象の家族1人につき通算で93日まで取得することが可能です。

介護休暇
労働者の家族が要介護状態ととなってしまった場合に、介護や身の回りのお世話をするための休暇。通院の付き添いはもちろん、家族に代わって事務などの手続きを行う必要がある場合にも利用することができます。対象となる家族が1人の場合は1年に5日まで、2人以上の場合は10日まで取得することが可能となります。

介護休業給付金
介護休業を利用した期間(3か月まで)に応じて、給付金を受け取れる制度です。原則として「休業開始時の日額賃金×支給日数×67%」で計算されるため、元の月給の70%程度の金額を受け取ることが可能です。

時間外労働の制限
要介護状態となった家族をもつ労働者が、残業時間の制限を希望した場合に、介護のために「1ヶ月で24時間」「1年で150時間」を超える残業を制限する制度となります。

深夜業の制限
要介護状態となった家族をもつ労働者が、夜勤の制限を希望した場合に、介護のために夜勤を制限する制度。

介護離職を防ぐための様々な制度がありますね。どの制度も、労働者側からの請求や申し出によって利用することができる制度となります。介護離職を防ぐために有効となる制度ですが、前述の通り利用率は医療福祉業界でもわずか3.2%と低く、問題解決が急がれています。

 

助成金制度が労働者の制度利用を後押し!?

介護離職を防ぐこれらの利用が伸び悩む中、厚生労働省は介護離職率ゼロに向けて、さまざまな改革に乗り出しました。「介護支援取組助成金」は、介護離職を防ぐための指定された3つの取り組みを行った事業所へ向け、助成金が支給されるというものです。前述の介護休業給付金においては、それまで40%だった支給率が、2016年8月から67%と上昇を見せました。また、2019年1月には介護休業を3回まで分割取得することが可能となりました。

このような厚生労働省の取り組みが進むなか、医療福祉業界でも貴重な人材を失わないよう、独自の制度を設ける事業所が増えてきました。例をあげると、取得できる日数を事業所独自に上乗せした介護休暇や、細かく時間単位に取得しやすくした有給休暇、というものです。事業所や国の制度を上手に活用して、仕事と介護を両立させましょう!