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 学生取材レポート 

IT×家事代行=ライフスタイルの変革

学生が現場へ赴き取材レポートをおこなう本企画!今回は帰国子女学生が日本で暮す外国人の生活支援に興味を持ち企業サーチの結果、多くの外国人ヘルパーが本サービスを利用して活躍する斬新なシェアリング・エコノミーサービス会社を発見!!取材の機会をいただきレポートしています。




女性の働き方は近年ますます変化し、夫婦共働きの家庭も増えています。昔ながらの価値観も変わり始め、多様なライフスタイルの選択ができるようになりましたが、それに伴うあらたな課題も生まれています。

その課題を解決し、ライフスタイルの変革をサポートするサービスがあるのはご存知でしょうか。今回は家事シェアサービス「タスカジ」を運営するブランニュウスタイル株式会社 代表取締役の和田幸子さんにインタビューをしてきました。




和田幸子さん
ブランニュウスタイル株式会社
代表取締役社長

>ホームページはこちらから<

1999年 新卒で富士通株式会社にエンジニア職として入社。
2005年 慶應義塾大学の経営管理研究科(MBA)に留学。
2008年 第一子出産
2013年 富士通を退職しブランニュウスタイル株式会社を立ち上げる。現在ITを利用したシェアリングエコノミーの家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」を運営中。



『和田さんとしての、女性の働き方』




フルタイム勤務のワーキングマザーであり続けること、その思いからの起業。

富士通に入社したときから仕事に軸足をおいて長く働き続けたいという気持ちと、いつか起業したいという思いがありました。」

具体的に何をするかは決まっていなかったそうですが、働き続けることに理解あるパートナーとご結婚をされ、2008年に第一子を出産。その後も、パートナーと家事・育児を分担しながら、仕事との両立をはかっていたそうですが、現実に使える時間は限られており、最優先の子育てを除くとどうしても家事に割ける時間が少なくなっていったそうです。

「きれいな部屋に住みたい、美味しい料理を家で落ち着いて食べたい、といった欲求は高いものの、どうしても夫婦共に家事がおろそかになってしまう。ストレスは溜まる一方でなんか気持ちが落ち着かない、そのような生活をずっと送っていました。」

そこで思いついたのが、家事代行のマッチングサービス「タスカジ」であったそうです。実際周囲にも自分が感じていたようなストレスを、他の人も経験しているのではないかと感じ、そのストレスを軽減できたらという思いから起業をしたそうです。

 
『家事代行でライフスタイルの変革を。』


「タスカジ」のサービス
「タスカジ」は家事代行をおこなうハウスキーパーと、家事代行を必要とするユーザーをマッチングさせるサービスです。ハウスキーパーは掃除、洗濯、料理、買い物、チャイルドケア、ペットケアという6つのカテゴリから自分が得意な家事サービスを提示します。そしてユーザーは他ユーザーからのハウスキーパーに対するレビューや作業内容を参考にハウスキーパーに家事代行を依頼します。

ライフスタイルの変革と家事に対する価値観の変化
「家事代行を単純に提供しても利用者は増えていかない。ご利用いただけるサービスとする為には、ライフスタイルや家族観の変革を訴えて提案し続けないといけない。そういう活動もセットですすめていかないと、世の中には受け入れてもらえないのです」

「今までは女性が家事をするべき、という固定観念があった為、家事代行を頼むのは気が引けるという方も数多くいらっしゃいました。しかし、フルタイムで働く女性が増え、ライフスタイルが多様化した今、“お願いできることはお願いする”という考え方へシフトしてもいいのではないか」と和田さんは仰っていました。

家事代行の積極利用という選択肢があることで、ライフスタイルの変革が促され、女性が従来の性別による役割分担に捉われる事なく、もっと積極的に自分のやりたいことに取り組むことができるようになっていくのではないでしょうか。実際に家事のアウトソーシングへの反応は近年変わりつつあるとの事です。

「一年前は家事代行を使っていると言うのが憚られるみたいな…そんな感じだったのが、最近では、『私使ってるよー』ってネット上で言えるような空気に徐々になってきていますね」



「タスカジ」のビジネスで和田さんが心がけているのは、ハウスキーパーの「見える化」だそうです。ユーザーからのレビューやテストレビューだけではなく、和田さん自身もFacebookでタスカジさん(ハウスキーパー)に作ってもらった晩御飯の写真や活用の仕方(4日分作り置きををしてもらう等)の事例をシェアするなどの広報をしているそうです。このことでユーザーからの信頼を獲得すると同時に、ハウスキーパーに対する社会の考え方も変えていこうと和田さんは考えているそうです。

 
外国人ハウスキーパーの英語教師としての一面


ハウスキーパーには外国人も多く、ユーザーの中には子供の英語教育のために外国人ハウスキーパーに家事を依頼する方も多いそうです。例えば3時間家事代行をお願いした場合、1時間は買い出し、1時間は家事、そして残りの1時間は子どもに英語を教えてもらう、といった利用のしかたもあるようです。家事代行のみだと後ろめたい想いがある場合でも、英語教育もしてもらえるのならば、と家事を頼みやすく感じるユーザーさんもいるそうです。

今後のビジネスの展望としては、シニア向けサービスや家の中の困り事を解決するサービスも視野に入れているそうです。どちらも家事代行だけでなく、人々のライフスタイルの変化の中にあるニーズに応え、人々を支えたいという和田さんの想いによるのです。

「タスカジ」のようなサービスは、これからのライフスタイルの多様性に伴う、多様な選択をサポートしていく重要な役割を果たすと筆者は考えます。

 
おわりに、和田さんからのメッセージ



「もし何かに興味があり遠い将来やりたい事があれば、小さくでもいいからまずやってみることですね。やらないとやっぱりわからないし。失敗することもすごく重要なので早めにトライ&エラーを繰り返すことをすごくおすすめします。」

「従来の家族観だとか働き方に捉われず、ゼロベースで自分は何をやりたいのか、自分の気持ちに向き合って、仕事や人生設計をしていって欲しいと思います。絶対一つしか答えがないわけではなく、挑戦することで次のステップがあるはずなので、少しずつ挑戦しながら一番良い選択をし続けていって欲しいと思います。」






 

中川結菜・原千夏 上智大学 【取材・記事制作】
これから社会に出て行く学生は失敗することを恐れずに従来の価値観にとらわれることなく、ライフスタイルの変革を通して仕事も家庭も両立を目指していくことが大切になってくるのかもしれません。