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第2回 ワークショップ型セミナー“ソーシャルグッドコラボ” 開催レポート

セミナータイトル:『 最高のホスピタリティと福祉の融合 』
講師:馬場拓也 氏 [社会福祉法人愛川舜寿会 ミノワホーム経営企画室長]


ソーシャルサービス領域で活躍されている様々な方を講師に招き開催するワークショップ型セミナー “ソーシャルグッドコラボ”。第2回目の講師は、社会福祉法人愛川舜寿会 ミノワホーム 経営企画室長 馬場 拓也氏に登壇いただきました。

 

第一部は「最高のホスピタリティと福祉の融合」というテーマで、ファシリテーターとして招聘した“未来をつくるkaigoカフェ代表 高瀬比左子氏”とのトークセッション形式にてこれまでの歩みを振り返りながらお話しを伺った後、第二部は“孤立した高齢者世帯をつなげ人々が集まる行事を考える”ことをテーマにグループごとに意見を出し合い、発表してもらいました。

今回のレポートは、ファシリテーター高瀬氏から寄稿いただいたものでレポート致します。



▼第一部:トークセッション

■少年時代から野球一筋、学生時代には音楽も
高校、大学時代での野球部での経験。甲子園、大学選手権を目指した体育会系な日々。この時代にチームワークやコミュニケーションの修行を積むということを経験。音楽を聴くことも演奏することも趣味として。「心を豊かにし人の心を解放する音楽を愛する人は信頼できる人。」そんなメッセージも。


■アルマーニで最高のホスピタリティを学ぶ

大学卒業後は、某アパレルブランドを経て、イタリアの一流ファッションブランド“ジョルジオ アルマーニ”へ。お客様の二―ズをつかみ、ホスピタリティ溢れる接客から、トップセールスマンに。アルマーニのホスピタテリティブックの作成にも関わる。働き方次第では、どんな立場でも得られるものがある、学生の接客アルバイトについて参考になるお話しも。製造業でもエンジニアでも顧客、エンドユーザーは結局は人。学生時代に「人」と接する仕事を経験することはその後のマーケティングにも繋がると語って下さいました。


■アパレル業界から福祉へ

アパレルブランドでの経験を活かし、社会福祉法人愛川舜寿会ミノワホームへ。アパレルから福祉の業界へ転身。まず理念を反映したロゴの製作をし、職員のユニホームもおしゃれで街中で来ても違和感のないデザインへ。ホスピタリティとは誰がどんな満足をするものなのか?ホームに入居されている方も、職員も、地域の人もみんなが笑顔になれる地域の拠点として。アルマーニでもその人を「お客様」と見るか「人」と見るかが肝であったのと同じく、介護もその人を「利用者」と見るか「人」とみるか。この部分に関しては全く同じマインドであるとのこと。


■地域に根ざし“つなげる”様々な取り組み

社会福祉法人愛川舜寿会の創設者である馬場氏ご両親の想いや立ち上げ時からのお話、そして地域に開かれた施設、つなげていく役割を担う為にも取り組まれている夏祭り等の地域住民参加型の様々な催しなどについてのお話をいただきました。今後は地域の人がイベントではなく「日常的」に関わるしくみを構築していきたいとのお話でした。


■福祉の魅力を発信

全国20の社会福祉法人へ呼びかけて推進されている「介護男子スタディーズ」プロジェクトのお話をいただきました。これは介護の世界で働いている「男性」にフォーカスし、介護の魅力を書籍やイベント、大学などでの講演等を通して対外的に発信しているプロジェクトです。また、論考ページには介護のイメージや誤った既成概念に社会的変化をもたらすために、社会学、経済学、建築、映画、ファッションetc、多方面から様々な分野の論客により介護に対する多角的なアプローチの論文を掲載、加えてNYで活躍する写真家高木康之が介護の現場でイキイキと働く男性の仕事風景を写真で切り取り紹介しているとのこと。購入はあえてAmazonのみとしている。
詳細はこちらより→介護男子スタディーズHP



▼第二部:グループワーク
下記テーマにて各グループごとに意見交換、ワークショップを行いました。

「高齢化、若者減少で活動が停滞する町内会に活性化策を」
~孤立する高齢者世帯をつなげ、人々が集まる行事を立案しPRする~



■ワークの発表

発表内容紹介 (一部紹介)
・商店街に「職人ロード」を設立する!町内会や周辺地域に点在する様々な職人を集結。子どもからご高齢者まで地域住民に協力を仰ぎ運営する。これを積極的にPR(TV、WEB、ラジオ、アプリ等)して興味を持った海外の旅行会社などとサービス連携を図る。「しょく忍」くんといったゆるキャラをつくるのも効果的。

・アートなまちづくりを推進する!商店街のシャッターや電柱、掲示板、壁などに住民全体で思い思いの絵を描く。絵だけではなく様々な季節にあわせたオブジェクトを制作し町中に飾り付ける。年代別のオブジェクト、コラボレーション作品等を住民皆で制作。制作場所として人が集まる学校や老人ホームを活用する。話題性を生みだし集客を図る。

・青空市、職業体験、文化継承イベントを通年実施!集客を図る、人の交流を活性化する為には老若男女皆が楽しめて参加できるイベントの実施が不可欠。皆でつくりあったもの探し出してきたものの青空市や職人による職業体験、高齢者からは地域の伝統や戦前後体験のお話。若者は音楽フェスの開催やSNSを活用したPRなども担当する。皆ができる範囲で協力して様々なイベントを定期的に開催する。

終了後に馬場氏よりご感想をいただきました。

「みんなそれぞれに個性があって素晴らしく甲乙つけがたい。地域全体を“つないでいく”ことが地域の活性化や安心して暮らせる生活環境づくりにつながっていくことが共有できました。発表してくれたアイデアは僕たち福祉現場の今後の取り組みにも大いに参考にさせていただきます。」とのご感想をいただき、著書である「介護男子スタディーズ」「介護業界の人材獲得戦略」を贈呈いただきました。

参加学生の感想 (一部紹介)
・これからの介護はクリエイティビティが大切であると感じました。
・介護の仕事はとても奥深く、究極のサービス業であると思いました。
・現状の厳しさはありながらも「自分たちで変える!変えられる!」という馬場さんの強いメッセージから介護の革新が感じられ自分も携わりたいと思った。
・介護職は受け身で地味なイメージがあったが、主体性が大切で輝ける一面もあるのではないかと感じました。
・介護職とアパレルサービスに求められるサービス精神の根本は同じである事を学び“介護サービス業”にあらためて興味を持ちました。
・介護の現場から法人経営という視点でもお話が伺えて視野が広がる機会になりました。
・今後の社会は“支える・支えられる”でなく、“お互いに支えあう”という気持ちが大切であることを学びました。


尚、本セミナー参加学生が後日“社会福祉法人愛川舜寿会ミノワホーム”に取材に行っております。そちらもどうぞご覧ください!⇒【『特別』ではない本当の介護】
 
最後に、ファシリテーター高瀬氏よりの感想
参加する学生の多くは福祉や介護にゆかりのない学部生にも関わらず、高齢者も子供も大人も外国人も、地域にある人やモノ、様々な媒体を活用してできることを、自由な発想で意見交換していました。介護福祉業界の人材不足を解決するには、広い視野で多くの学生に関心を持てるしかけをつくる必要がありますし、介護や福祉の枠を越えた学生が業界に入ってくれば、きっとアイデア溢れるいきいきとした業界になるのではないかと学生の発表を通じて実感しました。学生ボランティアのこれからについても、新たな企画へ向けての展開がますます楽しみになりました(^^)これからも情報アップしていきますのでお見逃しなく。

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